トレガーアプローチ®について

Milton Trager/トレガー博士
Milton Trager/トレガー博士

トレガー・アプローチは、米国の故ミルトン・トレガー博士(1909-1997)が開発したボディワークの一種で、

「筋肉の動きの再教育法」とも呼ばれています。
長年のクセや習慣から凝り固まって、私たちの本来の自然な動きを妨げている筋肉に、潜在意識下から、新しい自由な動きを提案して学習させていくものだからです。
具体的な方法としては、プラクティショナー(施術する側)がクライアントに対して行う「テーブル・ワーク」と、自分自身で身体を動かし、セルフケアとしても有効な「メンタスティックス」とがあります。

 

テーブルワーク
テーブル・ワークでは、プラクティショナーがマッサージテーブルの上のクライアントの筋肉を優しく撫でたり、揺らしたり、伸ばしたりして、さまざまな動きを与えていきます。
痛みや不快感のない範囲で、相手の身体のリズムや可動域を尊重して行うのが原則です。
少しでも痛みや不快感、違和感などがあると、筋肉が防衛反応を引き起こし、

収縮して今までのクセを守ろうとするからです。
トレガー博士によれば、1回のフルセッションには2000~3000もの動きが含まれているそうで、
心地よい振動は身体の深部にまで到達し、芯から弛み筋肉があるべき場所に納まっていきます。
セッションを終えたときには、姿勢がよくなるバランスが整う動きがしなやかになる

などさまざまな外見上の変化が見られます。
しかし一番大きな変化はその人の無意識の部分で起きています。
筋肉を硬くしているもの、身体の自由な動きを妨げているもの、それはマインドの中にある制限や萎縮であり、筋肉を通して送られた優しい感覚がマインドに届いたとき、

マインドは安心してそれまでの制限や萎縮を手放し、その結果として筋肉が弛むのです。
筋肉の変化は自律神経系(無意識と密接に関連している)の変化を意味します。
ワークを通して新たな神経回路が創られ、心と身体のパターンを変えていくきっかけになり、

生き方にも影響を与えます

 

メンタスティックス
メンタスティックス(Mentastics = mental + gymnastics [心の体操])は、テーブル・ワークで味わった感覚を日常生活でも活かしていけるよう、

自分の身体を動かしながら心地よい感覚を探っていくセルフケアの方法です。
例えば、足を肩幅に広げて立ち、左右に体重を移動させるといった単純な動きでも、

ものすごく多くのことを感じられます。
足の裏と床との密着感、脚のつっぱり感、骨盤の動き、腕の揺れ具合、などなど‥‥。
メンタスティックスの目的は、動きの中で心地よい感覚を自ら創り出していくことです。
メンタスティックスを習慣にすると、自分の身体に対する感覚が鋭敏になり、

動きとマインドの関係にも気づきやすくなります。

自分にとって心地よい感覚、自分が好きな感覚をちゃんと自分で選択できるようになるのです。


日常の動作にもその感覚を取り入れることで、楽な動きを自然に身につけることができます。

自分の身体と向き合い、何が心地良いのかをじっくりと味わうことで、

本来の自然な身体の状態を自らが思い出すことができるのです。